先生とシンデレラ

そういうとお姉さんはにこと笑って、まずはその気持ちが大切なのよ、といった。

「いくら自分に合っている事でも楽しくないと続けられないでしょう?
反対もそう。自分に合っていないことでもその事をするのが楽しいって思えれば
自分に合うようになるわ。」

お姉さんはいつも素敵な言葉を使う。

いまどきの言葉じゃなくてきれいな言葉。

私はいつもこの言葉に励まされ続けてる。

私が少し恥ずかしくなって下を向きながら、ありがとうございます、と言うとお姉さんはにこっと笑ってうなずいた。

するとお姉さんは思い出したかのように

「あぁ、そういえば蓮が外で待ってたわ。」

と言った。

…っ、また?!

迎えはいいです、っていつも言ってるのに…。

私がオロオロしているとお姉さんは笑って、

「その服…羅々ちゃんに良く似合ってるから私が買っといてあげる。
そのまま荷物だけ持っていきなさい。」

「え、いや、でも…っ」

そこまで迷惑かけられない。

いつもお茶したときだって、私は年上なんだから、って一度も払わせてくれない。

私が慌てて服のボタンに手をかけているとお姉さんは優しい手つきでその手を止めた。

「いいの。私が羅々ちゃんにプレゼントしたいの。
勝手かもしれないけど、私、羅々ちゃんの事妹みたいに思ってるのよ。
だから色々してあげたいし、買ってあげたい。
…一種の母性本能なのかもしれないけど。
だから…貰ってあげてくれるかしら、そのワンピース。」

あぁ、私。

どれだけ幸せ者なんだろう。

私は少し泣きそうになりながら

「私…お姉さんが欲しかったから嬉しいです…っ!
ありがとうございます…」


と言った。

するとお姉さんは嬉しそうに私の手から自分の手をはずして

「…いつか」

「本物の姉妹になって欲しいわ。」

と言った。