あの日は、冬だというのになぜか今日みたいな土砂降りで…
通りすぎて行く人は、俺をかわいそうな人としか見ていなかった。
だけど、俺の目の前で止まった人がいた。
「どうしたの?風邪、ひいちゃうよ?」
そう、声をかけてくれた女の人。
どう見ても、大人の…
俺は、何も答えなかった。
すると、半分強引にその人の家へと連れていかれた。
そして、俺は毎日その人と過ごすようになった。
ある日、俺は母親のことをその人に話した。
この人なら、話しても大丈夫。
そう思ったから。
俺は、その人が女として好きだったから…
それが、あの写真の人。
話し終えると、あの人はたくさん俺に欲しかった言葉をくれた。
辛かったね。よく頑張ったね。もう、大丈夫だよ?
もう、強がらなくていいよ?
そんな言葉までくれた。


