とりあえず「好き」。



「目障りだっただけだし」



背、たかっ!!
178cmくらいはあると思う。絶対。



それだけ言って、スタスタと歩き出す。



「あ、あのっ…」


「あ?」


「いや…ありがとうございました!」



深々と頭を下げながら、
なかなか返事がないことを疑問に思い
頭をあげると、イケメン君は
もうずっと先を歩いていた。


無視かよ!(笑)



もう一生分の運、使い果たしたような
そんな気分になりながら家に帰った。




「莉々菜!起きなさい!寝坊よ!」


「えっ…!!!??」



がっつり寝坊だと気付くまで約1分。



「お母さん!
なんで起こしてくれないの!
起きるまで起こしてよバカ!!」


「あんたが起きなかったんでしょ」



昨日、あのイケメンがちらついて
なかなか眠りにつけなかったせいだ…。




「いってきまーす!」



超特急で準備をし、急いで学校に向かう。