「真澄もお昼まだだろ?ほら、食べなよ」


幸広君がサンドイッチを摘まんで真澄ちゃんに渡す。


その際に私と目が合った真澄ちゃんが真っ赤になった。


「陸君、ジュース全部飲んじゃったね。貰ってきてあげようか?」


愛子が陸君の前に置かれた空のグラスを手にしてそう言った。


「うん、喉渇いちゃってさ。愛子ちゃん頼める?」


「うん」


愛子が席を立ってさっき健也君のお母さんが出てきたドアへと駆けだした。


そうしていると健也君がトイレから戻って来たのでサンドイッチを食べ終えた私は伊織君にトイレに行ってくると告げて立ち上がった。


「入口のドアを出て左側の突きあたりのドアが化粧室だから」


伊織君が場所を教えてくれた。


化粧室に入ると大きくて綺麗な洗面台が置かれていた。


大きな鏡の前で少しだけ刎ねた後髪を手串で整えて洗面台に置かれていたハンドソープに手を伸ばして手を洗っているといきなり化粧室のドアが開いて
陸君が入って来た。


鏡越しに目があった。