話しを聞く限りあの頃の私は無神経過ぎてこんなにも伊織君を傷つけていたなんて夢にも思わなかった。


あの頃の自分を消したい。


単純にそう思った。


あの頃の自分を消して……


壊れてしまった伊織君を助けたい。


土下座をして済む問題じゃない事くらい私にだってわかる。


伊織君は裸のまま身体を丸めてしゃがみ込んだ。


頭を項垂れて声を出して泣いていた。


「俺はもう……壊れてるんだよ。心はいらないんだ……」


私は自分の着ている服を脱ぎ始めた。


ジャラジャラしたネックレスを外し濡れてビショビショだった服を全部脱いでレギンスも脱ぎ捨ててブラも外して少しためらったけど最後の下着も脱いだ。


そして、伊織君の目の前に立った。