年下恋心



………まじか。



「だめですか?」



身長のせいで上目使いされた。

犬みたいな耳が一瞬見えた気がする。


端から見たらどんな風に見えるんだろう。


少し怖くなって考えるのをやめた。

まぁ、断る理由もない。



「何処でする?」



ぱぁーってつきそうな笑顔。

尻尾まで見えてきた。

俺が中学生の時こんなやついなかった、多分いなかった。


川崎の好みはこんなんなのか。

ちょっと意外だ。



「中学校の体育館が空いてますよ」

「部外者って入ってよかったっけ?」

「自主練って言ったら、鍵くれますから多分大丈夫です。バレません」



……ダメなわけか。



結局、俺も柏木もなにも買わずに店を出た。

中学校がどこにあるのか柏木に道案内させる。



「そういえば」



柏木が俺を見た。

身長が低い柏木に部活用の鞄は大きすぎて不釣り合いに見える。



「川崎とは付き合ったの、か」



ちらりと見れば、真っ赤な中学生。


おい、おいおいおいおいおい。



「……餓鬼か」

「いや、だってだって!そんないきなりそんな話、」

「あーうん。悪かった悪かった」

「川崎さんの話と全然性格違う!」

「そりゃあな。話す相手で変わるだろ、キャラなんて」

「キャラ作りだったんですか!?」

「最初はな。近すぎず遠すぎずの関係を築きたかったんた」

「すみません。よく分からないですけど……?」

「うん、俺も。適当に言ったから」

「ちょっと!」

「いいんだよ、別に。俺の性格なんか、咲だけが知ってれば」



ぱちくりと瞬きを繰り返し、そうですかと納得したようだ。

表情がころころと変わるところは咲に少し似ている。

物怖じしないとか、初対面の奴にも親しくなるところとか。


まあ、咲と比べるまでもないか。