「川崎さん?着きましたよ」
「え、あ、本当」
気が付いたら玄関前でした。
早いなとか今までずっと考えてたんだなぁとか、何故か他人事のように思った。
「ありがとう柏木くん。今日はとても楽しかった!」
「俺も楽しかったです。また行きましょうね」
「うん!えへへ」
笑い声が出てしまった。
ちょっと恥ずかしい。
「俺、これからも駅に迎えにいきますね」
「ありがとう。待ってる。じゃあまた火曜日に」
ドアを開けて振り返る。
手を振ろうと挙げると、左腕を掴まれた。
「今日の服、似合ってます。可愛い。じゃあ、また。優奈さん」
ぱっと離して、笑顔で手を振って帰ってく聖ちゃん。
私も振り返すが、ぎこちないだろう。
自分でも分かるから。
家の中に入り、へなへなと座り込んだ。
「やば、超かっこいい」
川崎優奈、可愛さと格好良さを合わせ持つ彼氏が出来ました。
「心臓が……足りない」

