CD売場に行くと聖ちゃんがCDを見比べていた。


そういえばどんな歌聞くのかな?


そっと、静かに隣に立つ。

聖ちゃんは2つを交互に見て、相当悩んでるようだ。


ふふふ、真剣な顔。



「……終わったなら声かけてください」

「わ!」



いきなり顔を此方に向けてムスリという効果音がつきそうな表情。



「ごめん。真剣に選んでたから、つい」

「お目当ての本はありました?」

「うん、漸く見つけたの!柏木くんはどっち買うの?」

「んー…。いや、やっぱりやめときます」

「買わないの?」

「お金貯めとかないと、すぐ使っちゃうんですよね」

「私も。あ、どんな歌?」

「ジャンルはいろいろ……今は友達の影響でROCKです」

「おーかっこいい!」

「影響ですよ?」

「影響でも何でも好きなものがあるってかっこいいよ」

「そういうものですか?」

「私の考えではそういうものです」



うんうん頷くと聖ちゃんのはにかみ笑顔。


うん、聖ちゃんの笑顔好きだなぁ。

好き……あ。


告白、するんでした。



「あの、何で顔赤いんですか」

「え!?いやぁその……柏木くんも赤いよ?」

「赤面って移るんです!」

「あははぁー……外に出ようか。行きたいお店ある?」

「いえ。今のところないです」

「そかそかー」



自覚したら赤くなっちゃった。

ダメだなぁ私の顔。


本屋を出て他の店へ。

といっても行きたい店がないので、基本ぶらぶらしてるだけ。

なのに、楽しいのは聖ちゃんが私にたくさん喋りかけてくれるから。

今までと違って本当に心の底から“ここに居たい”と思う場所にいるから。



貴方の側にこれからも居たい。