年下恋心




―――ピピピピピ

―――ピピピ



「んぅー……………ん?、あ」



土曜日の夜。



『お姉ちゃん。ケータイなってる』

『あー本当だ………!』



―――柏木聖也


家電!



『!も、もしもし』

『か、柏木です!あの明日のことなんですが』

『うん』

『明日の朝9時に待ち合わせ』

『映画館に行けば良い?』

『はい!よろしくお願いします』

『こちらこそ、よろしくお願いします』



―――ピッ



『何、頭下げてんの?』

『やー何となく。えへへ』

『まぁいっか。明日楽しんできてね。遅くなってもいいし』

『うん!準備してくるー。おやすみ!』

『おやすみ(明日聖ちゃん大変そう)』



日曜日の朝、8時。

はち、じ。



「………やばっ!」



勢いよく飛び起き、リビングへ向かう。


あー!

もうちょっと余裕持って仕度したかったのに!


リビングのソファーに悠里がいた。

案の定、ケータイ弄り。



「おはよう。テーブルに朝ごはん置いておいたから」

「おはよう、ありがとー!私の分も作ってくれたんだ」

「起きてこなかったしね。歯、磨いてきたら」

「あ、そうだった」



洗面所に向かって丁寧に歯を磨いた。

気持ちいつもより丁寧に。

それから顔も。

今日この短時間で何かが変わるわけでもないけど。

悠里が作ってくれたご飯をたいらげる。


ん、美味しい。


部屋に戻り、新しいスカートと対面。


やっぱりちょっと短いような気がする。

咲もみーちゃんも可愛いって言ってくれたし、よし。


ようやく着替え終わったら、9時20分前。

完璧に遅刻。

ゆっくりしすぎた自分を呪った。