ないないない。



「するわけない」



キッパリはっきり言い切った。


いつまでも言われっぱなしな訳じゃないんだからな!



「えーなんでなんで?定番いっとこうよー」

「桃って定番好きよね」

「してこいよ。面白いから」

「面白くねぇよバカ!」



そんなことしたら引かれる。

軽い男とか思われたくない!



「しなくても良いから、それくらいの気持ちで挑んで」

「はぁ?」

「この休日が最後の勝負です」



最後って……。



「勝手に決めんな!」

「1ヶ月も頑張ったんだからその成果を見せなきゃ」

「だからって、最後じゃなくても」

「甘い!」

「聖也、この関係をダラダラ引っ張ってくのは嫌だろ?」


悲しいって言ってたもんな。



確かに、悲しいとか言ったかもしれないけど。

でも、でも。



「これ失敗したら、もう川崎さんと歩けない」

「むしろ嫌われる覚悟で挑みなさい」

「えぇ!?」

「いい?これで嫌われたらもうどう頑張ってもダメなんだから」



そんな怖いこと言うなよ。


気が付けば下を向いていた。

嫌われたらなんて、考えたくない。



「悠里、言葉きつい。聖也。悠里は」

「ん、大丈夫。悠里の言いたいこと分かる」



いつも、バカするけど応援してくれてるもんな。


「ありがと。俺、決めた」



ぐっと拳に力を入れ、真っ直ぐ3人を見る。

嫌われてもいい、なんて言えないけど、嫌われたら立ち直れないけど。


でも自分の思いを伝えよう。

もう一度、貴女に告白します。