「俺はきちんと、自分の、金で買いました。それを聖也くんは、タダでは俺から貰おうとしてるんですか?」
「う、」
「他人が買ったチケットで、川崎さんと一緒に観に行ける?」
「行かない。いくらだった?」
「2枚で三千円」
「高ぇ!」
ぼったくりじゃないですか!そのコンビニ!
何て言えないから、財布から三千円。
まぁ……これで晴れて川崎さんと出掛けれるなら安い。
でも中学生に三千円は痛い。
「聖ちゃん、百面相得意だよね」
「その映画今週末に公開じゃん!」
「え。本当だ」
今週末……誘えるか、俺。
心が不安と期待でいっぱいだ。
取り敢えずプランだ。
プランを考えよう。
「キスとかしちゃうの?」
安土のヘラヘラした顔が、いつもの倍はムカついた。

