「だーいーきーくんっ」
「……」
ちょ、親友をそんな目で見んなよ。
目が死んでるぞ。
「何かあったのか?」
「何もないから大貴を呼んだ」
因みに此処は教室横のベランダ。
風が冷たい。
もう冬だ。
「どういう?」
「うん。……好きな人と一緒に帰ってるんだけど、妙に寂しい時ってある?」
「は?」
「えっと、ほら!楽しいし、嬉しいのに悲しいみたいな」
「……ごめん。余計に意味わからなくなった」
何て言えば良いのか、俺自身もよくわかんねぇ。
あの人に俺の事好きになってもらいたいんだ。
でも、一緒に帰るだけじゃ無理な気がする。
俺だけが楽しかったり嬉しかったら駄目なんだ。
「聖ちゃーん!」
「きゃー!!大路くんもいる!」
またか、と思って下を見る。
知らない女の子達が手を振ってきた。
此方も同じように手を降ると、楽しそうに嬉しそうに去っていく。
「いつも思うんだけど、何が楽しいんだろな」
「手を降ること?」
「俺ら一般人だぜ?」
ちゃんと喋ったことないのに。
「俺らの事が好きだからじゃん」
「…………は?」
「お前だって川崎さんに手振ってもらったら嬉しいだろ?」
「うん。失神するくらい」
「ベタ惚れだな」
目が合うだけで死にそうなのに。
手とか振られたら病院行き決定だな。
「それと同じだろ」
「同じ……」
「なぁ、本当にどうした?悩みあるなら言えよ。聞くことしかできないけど、言うだけでもスッキリするだろ?」
「ありがと。お前やっぱ良いやつだな」

