「絶不調だね。もしかしてみーちゃんが言ってたこと、気にしてる?」
休み時間に咲が来て、そんなことを言った。
「気にしてないっていったら嘘になる。何、付き合えばよかったの?」
「そういう事じゃないとは思うけど。……んー、」
「咲、今日部活遅くなるって……何、考え事?」
「あ。杉下くん」
少ない脳みそを一生懸命絞りこんでいたら、咲の彼氏の杉下くんが来た。
ご無沙汰してます。
「そうだ、まーくんが告白したとします!」
「……え、咲に?」
何で!?
咲も満更じゃなさそうだし。
くそぅ、見せつけに来たのか!
泣くぞ。
「告白の返事がさ、友達からって言われたらどう?嫌?」
成る程。
男の子の気持ちは男の子に聞いた方がいいもんね。
「嫌って言うか、はっきりしてほしいとは思うけど」
やっぱりそうか。
聖ちゃんには辛い思いをさせたのかもしれない。
きっぱり振ってしまった方がよかったのかも。
「その反面、まだ希望があると思って頑張るな、俺だったら」
「頑張るの?」
「友達からってさ、お互いの事をよく知る良い切っ掛け作りだろ。川崎さんが相手の事を知ろうとすればするほど向こうも頑張るんじゃね?」
「そっかぁ、うん。ありがとう!杉下くん。私も聖ちゃんに歩み寄ってみる!」
「……聖ちゃん」
「ていうか、本当はもう好きになってたりして」
よし。
そうと決まれば、帰り道にゆっくり歩いてたくさん話をしよう。
聖ちゃんの用事がなければだけど!
「もしもーし。考えてるとこ悪いけど、今日塾でしょー?」
ぁあ!?
そう、でした。

