年下恋心




from 川崎優奈

『柏木くんへ

月曜日と木曜日は塾があるから一緒に帰れません;;

だから柏木くんは思う存分部活を楽しんできて!

他の日は一緒に帰れるからね!

PS 今日こそはんばーぐ食べたい』



川崎さんからのメール!

って、



「今日帰れないの!?」

「高校生だから仕方ないじゃん。勉強難しいんだって」

「どっちが本命か分かんないね!ハンバーグと柏木くん」

「安土、そんな追い討ちかけないで」



泣きたくなる。

いや、心の中は号泣してんだけど。


背中を大貴が優しく叩いてくれた。

安土が頭を撫でてくれた。

悠里が見下した目で俺を見た。



「お前の態度は明らかに違う!」

「は?別にいーじゃん。ハンバーグに負けた聖ちゃんを慰めてるんだから」

「慰めてねーし!」

「聖也、声大きい。バレるぞ」



……むぅ。



「てか、まだハンバーグには負けてない」

「あーはいはい」

「あはは!やー柏木くん達面白いね。もっと話しにくい人だと思ってた」

「そうかな?安土さんも結構毒吐くよね」



昼休みが終わるまでバカみたいなやり取りを続けていた。

……俺の人生初の告白がこんな笑い話にされるなんて思わなかったけど。


はぁ……帰れないのか。



「ため息すると幸せ逃げるよ」



ため息くらい許してほしい。


もう一度吐くと大貴が「川崎さんも言ってくれてるし、一緒に部活頑張ろうぜ」と背中を叩いた。


お前……良いやつだな!