「今、告白されても……」
「う、だよね。ごめんなさ」
「俺がもう一度します」
「え」
聖ちゃんの瞳が力強くて引きずり込まれそう。
綺麗だった。
「俺、川崎さんに好きになってもらえるまで頑張ります。自分の事ちゃんと伝えるんで、川崎さんの事も俺に教えて下さい」
「うん、それはもう喜んで」
そこで聖ちゃんは今日始めてのはにかみを見せた。
ヤバい、可愛い。
「あ、送ります」
「いいよ、別に!悪いし」
「今はこれくらいしか俺出来ませんから。送らせてください」
「じゃあ、お願いします」
自転車置き場に行き、聖ちゃんが黒い自転車を押してきた。
自分のリュックを籠に入れ、右手を差し出した。
「鞄持ちましょうか?」
ありがたかったけど本当にすぐそこだから、大丈夫と断った。
流石にそこまで図々しくない。
不満げな聖ちゃんの顔を見てくすりと笑った。

