「さあ、どいつだ」
バンッと写真をテーブルに叩きつけた。
どいつも何も柏木聖也だってば。
写真を覗き込む。
小学校が同じの子は知ってるけどそれ以外はさっぱりだ。
中学二年って言っても皆小さいな。
聖ちゃん、聖ちゃん……あ。
「この子」
一番前の真ん中らへんを指す。
悠里は髪を耳にかけながら私が指した子を見た。
「……聖ちゃんじゃん」
「だよね」
「お姉ちゃん、聖ちゃんがどんな人か知ってるの?」
「……クラスの人気者」
入学式の日に悠里から聞いた。
クラスに凄く格好いい人がいると。
―――アレはモテるね。
悠里はどや顔で言った。

