ガタン、ゴトン


ガタン、ゴトン



ボックス席に座り、私の向かいに二人。



「優奈はさ、好きな人いないの?」

「えーあー、いないなぁ」

「つまんないなぁ。女子高生なんて今だけだよ」

「んー……」

「何で恋愛話になると黙るのよ!」

「いやー、だって気持ちとか分かんないもん」


ドキドキとかしないんだもん。

因みに、いきなり始まる恋話もついていけなくなる。

ドラマとかではキュンってするけど。



「咲は杉下くんとうまくいってるけど。疲れるよ、恋って」

「みーちゃんは好きじゃない人と付き合ってるから」

「好きになろうとはしてる」

「……」

「真剣にお付き合いしてる」



きっぱりと真面目な顔で言った。



「まぁ、こんなやつでさえ出来てるんだから。優奈も出来るか」

「何が?」

「彼氏。恋人。lover」

「後はきっかけだけだよね」



な、ななな何言って!

彼氏?恋人?ラバー?

いや。無理でしょー!