「菜緒子姉ちゃん〜…」 「七ちゃん、尚也に近づいちゃダメだよ?」 「うん…」 七海でも尚也に近づけないのか……。 「母さんは?」 「買い物に出掛けてる」 「そっか、」 「こんな時、直樹兄でもいてくれたら、まだ気が楽になるんだけどな……」 「確かに…」 変な気を回さない兄貴がいてくれるだけで、俺らからすると、まだ楽になれる。 「奈緒美姉なら今日早く帰ってくるのに……」 「は?」 こんな日に限って、早く帰ってくんの? おいおい。 「あの姉貴、爆弾落としかねないぜ……」