人が多いから、誰を見てるのかわかりづらい。 「どうだ?」 「尚斗にわかんねぇのが、俺にわかるわけねぇだろ」 「あ、休憩か?」 「……今、無視したろ」 部員達が体育館の端に行くなか、ただ一人、ボールを持って練習している奴。 「なぁ、尚斗……」 「あぁ…。アイツだ」 菜緒子がアイツに視線を向けているのはわかる。 たぶん、菜緒子が好きな奴は、休憩中でも練習しているアイツ。 間違いない。 「クソ〜!!アイツが菜緒子ちゃんをたぶらかして!!」 「いや、たぶらかしてねーから」 「クソぉ〜…」