一度顔を洗うため、一階に降りると、なにやらリビングが騒がしい。
「…………」
「あ、尚斗兄来たんだ」
「何やってんだよ……」
「おぉ、尚斗!! 久しぶりだな、我が弟よ!!」
「兄貴……」
結婚してから、いままで家に帰ってこなかった兄貴。
久しぶり……だけど、兄貴がいなくなったって、日常的には変化はなかったから、久しぶりって感覚は俺にはない。
「何しに帰ってきたんだよ」
「む。兄ちゃんに向かって何だ、その口調は」
「あ?」
「……自分の実家に帰ってきたんだから、いいだろ」
ちなみに“あ?”って言ったのは俺じゃなく姉貴だ。



