坂田家の日常




内緒と言われたら言いたくなるのが人間の性というもの。



だけど眞里は怒ると恐そうだから止めとく。



普段が優男だから、キレたらどうなるか。



しかも相手は族の副総だから、なにかできるわけでもない。



「姉貴と、仲直りしてください」

「…………」



眞里は何も言わず、会場に入っていく。



「…………」



取り残された俺と姉貴。



人間の考えてる事はイマイチわかんねぇな……。



「姉…貴?」

「――――」

「…………」



そっと涙を流す姉貴。



“眞里”と呟く姉貴。