坂田家の日常




「奈緒美姉、尚斗兄、もう披露宴始まるよ!!」

「あ?」

「みんな会場に入ってるよ」

「…………」



さすがに披露宴の最初に出ないわけにはいかないだろう。



「姉貴…どうすんのさ…」

「チッ」



菜緒子が姉貴の腕を引っ張り、会場へと向かう。



決められた席に座り、出席者リストを見る。



「…………」



よく考えたら、俺、名前しか知らねぇ……。



「姉貴?」

「眞里……いる」

「え、」



そう言った姉貴は立ち上がった。



けど、会場の照明が落ちていって、姉貴は動けずにいた。