坂田家の日常




――まぁ、いろんな事があった一年だけど、最後は呆気なく。



年越しソバ食べて、テレビ見て、12時を迎える。



「明けましておめでとう」



親父が年越し明けてそう言ったけど、あんまり実感もない。



「尚斗、今年は受験だが、どうする?」

「別に…。大学にでも行こっかな……」

「尚斗くんなら大丈夫よ」



俺が今年は受験生になるとか、なんか不思議な気分。



だけど俺が受験生になったからって、この家族の何かが変わるわけでもなく。



ただ普通に厄介事が俺に回ってくるんだろうなぁ、なんて。



……年始から、嫌な予感しかしない。