坂田家の日常




「あ、ヤベっ」



姉貴に構ってる余裕はなかった。



部屋に戻って鞄を取ると、急いで階段を下りる。



「あら、尚斗」

「母さん!? 行ってきますっ」

「気を付けて行くのよ〜」



おっとり口調の母さんに見送られ、俺は家を出た。



俺や菜緒子が通ってる学校は、ごく普通の高校だ。



「尚斗ー!!」

「セージか。今日も元気だな」

「何だ、俺が元気しか取り柄のない奴みたいに」

「そうだろ…」



セージこと、中井誠司(セイジ)は俺の親友だったりする。



俺や菜緒子の素顔を知ってる数少ない人物でもある。