「奈緒美っ!!」 「ヤダっ!!離してっ!!」 「こっちを見ろ!!」 「ヤダっ!!」 「奈緒美っ!!」 「―――ンっ」 大観衆の中、人目もはばからず熱い接吻をする二人。 片方はガタイのいい男で、もう一人は姉貴で……。 「…………」 この場合、弟としてどうしたらいいッスか。 そしてなぜ、誰もこの状況に突っ込まない。 目の前で繰り広げられるディープなキスに、セージは目をキラキラさせる。 コイツ…かなりのバカだな。 「ねぇ、そこで何してるの?」 現れたのは、また違う優しげな男。