菜緒子に睨まれながらも、俺は朝食を済ませた。
「行ってきまーす!!」
母さんの代わりに、集団登校の七海を見送ると、自分の部屋に戻って制服に着替えた。
そのあと洗面所に向かうと、髪の毛を三つ編みに結ぶ菜緒子がいた。
「いつ見ても昭和スタイルだな……」
「いいもん。これで素顔が隠れるなら」
膝下5センチのスカートに、髪の毛は三つ編み、そして視力が悪いわけでもないのに分厚いダテメガネ。
中学の時から菜緒子は地味子で通ってる。
「大体、尚斗兄も人には言えないんだよ」
「俺はお前よりマシだって」
地味じゃなくて普通だから。



