チュチュっと小鳥の囀(さえず)ずる音。 俺はケータイのアラームで目が覚める。 「ん゙〜…」 ベッドの上で背伸びをすると、頭を働かせる。 「よし、」 ベッドから起き上がり、ダイニングに向かう。 一階はキッチン、ダイニング、そしてリビングが一繋がりになっている。 「あっ、尚斗兄おはよう。目玉焼き焼いてるよ」 「サンキュ、菜緒子」 菜緒子は俺の一つ下の妹だ。 「親父は?」 「今日は朝礼があるからって、早く行っちゃった」 「ふーん」 俺はテーブルにつくと、トーストにマーガリンを塗る。