《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~

私はスポンジにボディソープをつけて、念入りに躰を洗う。



知弥は普段と変わらない様子。


私なんて、緊張で心臓の鼓動がドキドキして寝付けない毎日を過ごしていた。



キスには慣れたけど。

キスから先は未経験。

知弥に任せておけば、いい話なんだけどね~



白装束に身を包む。



禊の時にいつも着ているけど、今夜は滝行じゃない。

静まったはずの心臓が再び、ドキドキと高鳴っていく。



「入るぞ」


私が上がるのを待ちきれず、脱衣所に知弥が入って来る。



「遅い!…俺は気長に待てる男じゃないぜ…ちゃんと肝に銘じておけ」


知弥はそう言い放ち、ネクタイを緩め始める。