《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~

「俺は初めてだ…その意味わかるよな…」


「!!!?」



知弥は私の首筋に牙を剥いた。


「痛いッ!!」


首筋の皮膚を抉られるような激しい痛み。

知弥の牙が深く私の首筋を噛み、血を啜る。

静寂に響く血を吸う音。



激しい痛みを味わったはずの躰に甘い感覚が溢れ出す。


その感覚が私の躰の力を奪い去っていく。


知弥に抱き締められていなければ、


膝が抜けて今にも、その場にしゃがみこんでしまいそう。