《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~

先生が私に近づく。



縛られているワケでもないのに躰が動かない。



私はそのまま先生に抱き締められた。



「・・・自分の体内に入っていったお前の血の味は甘くて官能的な痺れが俺の中に駆け巡った…」



「先生?」


「知弥と呼べ」


「あ…」


私の顎を指で掴み、強引に顔を自分の方に向かせる。


双眼の紫色の瞳の中心に宿る緋色の点が大きくなっていく。


紫色の瞳が完全に緋色に染まった。



先生が血を欲してるーーー・・・