《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~

「先生に血を吸われて,私、貧血になりません?」



「増血剤を処方しますから…安心してください」


千早さんの私の返事を訊かず、話を推し進めている。



「・・・でも…」
私は言葉尻を濁す。


「お願いします…」

千早さんは今度は私の手を掴み、涙を潤ませて懇願。


「私は知弥様に救われた身…何としても…知弥様を滋弥様と同じようにはしたくないんです!!」



千早さんは先生の恩返しをしたい様子。


懇願されても、血をあげるなんて・・・