「フッ…それでは嫌か…なら、口移しで俺の気をやる」


「えっ?」



小笠原先生は私の腰をグイッと抱き寄せた。


一瞬、私の時間が止まったーーー・・・


煙草の味と
体内に流れ込む温かく優しい気。



「お前の…唇の感触…なかなかもんだ・・・」


「!!?」


気を許せば吸い込まれそうな紫水晶の瞳に、宿る獣の牙。



「もう少し…楽しませてくれるか?」


離した顔を再び、近づけてくる。