《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~

先生は長い睫毛を揺らしながら、瞳を開けた。


「ここはどこだ…?」


先生はまだ、目覚めたばかりで、意識が混濁していた。



「小笠原先生…」



「お前は…花奏?」


先生は躰を起こして、辺りを見つめる。



「意識を戻されました?知弥様」



「あ…千早か…何故?花奏が俺の寝室に居る?」


「花奏様は…大層、知弥様の容体を気にされていましたので…」



「…俺の容体を?」



先生の紫色の瞳が私を一途に見つめた。