俺は祠の結界を解く札を雨音から受け取り、滋弥と共に駆け出す。
「花奏さんが食べられてしまったら、兄上の餌もなくなると言う事ですね」
「花奏は餌じゃない!俺の花嫁だ!!」
「・・・お先に失礼!!」
滋弥は朱月に変身して、俺から札を奪い去った。
森の高々と聳える木々の枝に飛び乗り、猛スピードで俺の頭上から祠を目指す。
色のない闇の森に映える猩紅色の衣。
髪も瞳も濃淡はあるが、同じ色。
黒の世界に映える光彩。
俺も慌てて、朱月の後を追い駆けた。
俺が祠に辿り着く頃には、朱月によって、結界が破られていた。
普段は人等、入れない常世の国に続く祠。
常世の国の一角に妖狐の国は存在した。
「花奏さんが食べられてしまったら、兄上の餌もなくなると言う事ですね」
「花奏は餌じゃない!俺の花嫁だ!!」
「・・・お先に失礼!!」
滋弥は朱月に変身して、俺から札を奪い去った。
森の高々と聳える木々の枝に飛び乗り、猛スピードで俺の頭上から祠を目指す。
色のない闇の森に映える猩紅色の衣。
髪も瞳も濃淡はあるが、同じ色。
黒の世界に映える光彩。
俺も慌てて、朱月の後を追い駆けた。
俺が祠に辿り着く頃には、朱月によって、結界が破られていた。
普段は人等、入れない常世の国に続く祠。
常世の国の一角に妖狐の国は存在した。



