「芍薬のように風情があり、牡丹のように華麗で、百合の花のように清楚…女性の美しさの形容だ」



「へぇ~っ」


「まぁー全てがお前に当てはまってるワケじゃないが」



「ひどい~ッ!!」


見慣れた花奏のふくれっ面が俺の顔に笑いを浮かばせた。


「そう言われたくなければ、もっと、いい女になれ」


俺は花奏の耳元で囁く。


「いい女って言われても…」


「一人でできないか…なら、俺が手伝ってやる」


「手伝うって…」


花奏は言葉尻を濁し、白い頬は淡い桜色に染め、顔を俯かせた。


芍薬のような大輪の花の笑顔を浮かべ、


『妃女神』としての華麗な姿を見せ、


清らかで汚れない心を持つ、


お前はもう、言葉通り、女性の美しさを兼ね備えている。

柄にもなく照れ臭い自分を隠すための演技だった。