知弥の気遣いにこのまま、甘んじてはいけない。


私と知弥は共に背負うモノは同じ。


私以外に代われる者などいない。


手を合わせて、滝水にひたすら打たれ続ける知弥。
滝水の激流は容赦なく知弥の躰を襲う。


知弥は不必要な感情を捨て、一切の煩悩を削ぎ落として、気をどんどんと高める。


知弥が纏う清々したオーラが見える。



時間すれば1時間、知弥は滝行を続けた。


私の元に戻って来た、知弥は全身、ずぶ濡れで滝水の雫が滴っていた。


「私もやる!」


「はぁ?マジか?」


「ダメかな~?」


知弥は額に張り付いた前髪を掻き上げて、薄笑いを浮かべる。