《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~

「お前…滋弥に血を吸わせる気でいただろ?」


「一度でいいって…」



「お前…本気で一度だけで済むと思ってるのか?お前の血は…常習性が高いんだ…。麻薬のような血だ。これでも俺はセーブしてんだぜ…」


「麻薬って?」


知弥は2本の刃を鞘に収めて、手元から消した。



「一度吸えば…滋弥はまた狂ってしまう…」


「そんなぁ?」


「俺にはわかるんだ…だから、滋弥にお前の血は与えるな!」


「・・・」


知弥は私の躰を抱き締めた。


慣れ親しん匂いと温もりに囲まれる。


滋弥君には与えるなと言って、知弥は私の首筋に牙を立てて、血を啜った。