《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~

俺と同じ母親に似て銀色の髪に紫色の瞳。


俺と滋弥は容姿もよく似ていた。


学園長室を出て、教室に向かって階段を上がる。



「本当にお前、大丈夫なのか?」


「新薬が効いて…吸血衝動を抑えるコトができるようになりました」


「新薬?」


「はい…父上の知り合いの方が僕の為に開発してくれたんです」


「・・・父上の知り合いか…」


何か裏がありそうで、純粋に弟の回復を喜べなかった。


「薬等に頼るな…もっと自分の気を高めた方が…」



「・・・僕は兄上のように、強い人間ではありません」


語気を強めて、滋弥は俺に返す。