《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~

「小笠原先生…」


俺は朝一で、桜庭学園長に呼ばれた。


「滋弥!!?」


俺は思わず、素っ頓狂な声で、幽閉されているはずの弟の名前を呼ぶ。



「兄上…お久しぶりです…」


「・・・」



顔の血色も良く、声にも生気があった。


俺の知る滋弥は一心不乱に血を求め、狂った姿しか印象にない。



「急ですが…体調も良くなったので、主治医から復学の許可を頂きました…。兄上には連絡出来なくてすいません」


花奏よりも1歳年上の18歳だが、1年ダブっての復学。