人の血を啜って生きる妖・『紅鬼(ベニキ)』
京の街を騒がせた…『紅鬼』をようやく追い詰めた。
霞がかかった満ちた月。
「兄上」
「俺が封じて見せる!」
握り締める数珠の手にも力が篭った。
我が主・安倍晴明様は腕利きの陰陽師だと名を馳せていた。
我ら兄弟は弟子。
晴明様の信頼を得る為に、『紅鬼』を封じた。
『紅鬼』は最後の力を振り絞りに俺たちに呪詛の種を飛ばした。
己の双眼に映る白き月が紅く染まっていく。
我が身、弟諸共、鬼の姿になったーーー・・・
姿は鬼でも、擬い物。『紅鬼』のように、妖の力はない。
我々の姿に周囲は怖れた。
我らを哀れむ晴明様。
世話になった主に迷惑は掛けられるぬと我らは京の街を去った。
京の街を騒がせた…『紅鬼』をようやく追い詰めた。
霞がかかった満ちた月。
「兄上」
「俺が封じて見せる!」
握り締める数珠の手にも力が篭った。
我が主・安倍晴明様は腕利きの陰陽師だと名を馳せていた。
我ら兄弟は弟子。
晴明様の信頼を得る為に、『紅鬼』を封じた。
『紅鬼』は最後の力を振り絞りに俺たちに呪詛の種を飛ばした。
己の双眼に映る白き月が紅く染まっていく。
我が身、弟諸共、鬼の姿になったーーー・・・
姿は鬼でも、擬い物。『紅鬼』のように、妖の力はない。
我々の姿に周囲は怖れた。
我らを哀れむ晴明様。
世話になった主に迷惑は掛けられるぬと我らは京の街を去った。



