「あの、ありがとうございます…。」
「ん、何が?」
突然お礼の言葉を口にする私に目を丸くする佐武さん。
こんな状況ながら珍しい表情だと思った。
「私が戸惑っていたから、ああやって助けてくれたんですよね?」
「んー、間違っちゃいないけど、りこは俺を美化しすぎ。ってか鈍過ぎ!!あれは俺のためにやったんだから。自己満足なの!」
私は彼の言っている意味がわからない。
きょとんっとする私に彼は手を口元に当て、はぁっ…とため息をつく。
「わかった。りこがそこまでしらを切るなら俺は腹をくくる。」
大きく息を吸って
「俺はりこ、お前が好きだ。」