こっちを見なよ


「ケーキ、出来た。」

「…へ?」

「約束してたケーキ出来たんだ!りこ、食べてくれ!」

なんとも緊張感のない言葉に脱力する。


…で連れてこられたのが屋上だ。
「あの、外だとクリームが温まらないですか?」

「大丈夫、保冷剤いっぱいあるし。」 
佐武さんの手には一体何時間冷やせるのかわからないほど、保冷剤が握られている。

「じゃ、じゃぁいただきますね…。」

ケーキを食べるだけ。
なのに佐武さんが緊張した面持ちでこっちを見るから、フォークを持った手が震える。

パクリ……

私は真っ白なクリームを口に運ぶ。