こっちを見なよ


胸の高鳴りは大きくなる。
まるで耳の奥に心臓があるみたい。

ゆっくりとこちらを振り返った目は、一瞬にして大きく見開かれた。

「りこ…。」

なんだかものすごくこの場から逃げ出したいのに、ものすごくここにいたい。
私の足はまったく動こうとしない。

そのうちに佐武さんの方から歩み寄ってきた。