このあたりの地形に詳しいのか東条くんは迷わず進む
「わぁ……………」
1つの路地裏を抜けると広くて青い海が広がっていた
「綺麗………」
「ここ、地元でも知らない人が多い穴場の場所」
「詳しいんですね」
「朱莉と一度だけ近くに来たことがある」
「………………そうなんですか」
「ここには宇李としか来てない」
どうして東条くんは私が朱莉さんと来たと思ってヤキモチ妬いたとわかったのだろうか
「東条くんはエスパーですか!?」
「那由」
「え?」
「俺の名前」
東条くんの名前が那由なのは知っている
どうして急に………………
あぁ、そっか…………
「なっ…………那由くん」
名前を呼んで欲しいのか
「あんただって俺の考えわかってるじゃん」
ふわっと笑う東条くんに思わず抱き付いた