「俺の宇李に触るな!!」
「兄さん!!」
ぐだぐだな状態でタクシーに乗り込み数十分走ると
「朱莉とヒカリさん」
「あっ……………ほんとですね」
ヒカリさん達の住むアパートが目にとまり朱莉さん達もいた
「ヒカリ……………ただいま」
「奏斗……………おかえりなさい」
ヒカリさんと兄さんの感動の再開は
「私はあんたのこと認めた訳じゃないからね」
朱莉さんのこの言葉で空気は変わり苦笑いをする兄さん
「お父さん達もうすぐ着くって」
朱莉さんは携帯の画面を覗き何やら操作していた
兄さんは緊張しだしたのか急に黙り込み大きく深呼吸した
いつも楽観的で自信家の兄さんがこんなに緊張する姿をみるのはきっと最初で最後だろう
「奏斗落ち着いて」
「無理だ。俺とりあえず印象悪いし名誉挽回から始めないと」
「名誉挽回より汚名返上ね」
「どっちも同じだろ」
馬鹿なところは緊張に限らずいつものことだ