「あんたって変わってる」
「東条くんに言われたくありませんけど………」
俺はこいつを苦しめてしまう
離れなければならない
なのに
離れたくないと思ってしまう
「ほんと変だ…………」
そっと肥佐方を抱きしめると肥佐方は俺の背中にゆっくりと腕を回した
「私は東条くんから離れません。朱莉さんにどう思われようが逃げません」
「俺も逃げない」
「え?」
「朱莉ときちんと話する」
抱きしめていて肥佐方の顔なんて見えないのに何故か肥佐方が笑っているような気がした
「東条くん好きです」
「ん………」
肥佐方の
声
言葉
体温
吐息
全てが愛しいと感じた
肥佐方と関わりすぎたのか俺まで変だ
だけどこいつとなら可笑しいのも悪くない