「なんであんたがここに」
「那都さんに無理やり……………」
東条くんは私を見るなりため息をつき
「その格好は?」
「那都さんに無理やり……………」
東条くんは私から視線を逸らし朱莉さんの涙を拭き取った
優しく触れる彼の手は腫れ物を触るようだった
「那都さん、帰りましょう。お2人の邪魔する訳にもいきませんから」
「うり坊……………」
「邪魔してすみません。朱莉さん、私自分の家に帰りますから安心してください」
東条くんを好きな気持ちは誰にも負けないが
東条くんの傍に居ていいのかがわからない
東条くんの傍には朱莉さんが居る
私は邪魔なのかも知れない
少しだけ自惚れてた
女嫌いの東条くんが私とは普通に会話してくれる
私は特別なんだって勝手に思ってた
恥ずかしい………………
「うり坊。帰るの?」
「はい。ご迷惑おかけしました」
こうしてお泊まり会はあっさりと終わり
私を待ち受けていたのは1人の夏休みだけだった