「行こう」
「でも那義くんはまだしも、あずちゃん来てないです…………」
「そいつなら那義が迎えに行くって」
東条くんは私が持っていた鞄を持ち歩き出した
置いていかれないように慌てて着いて行き隣を歩いてみた
周りから見るとカップルに見えるのかな
東条くんは土日など学校がない時は眼鏡をしてないせいか綺麗な顔が露わになり道行く人が振り返る
モヤモヤする
「どうした?」
「へ?」
「不細工な顔してた」
「ぶさっ!?失礼です」
「ほら、さっさと行くぞ」
そう言って私の右手を掴んだ
東条くんの手は冷たくて
でも暖かい気がした
「東条くん」
「何?」
「………手冷たいです」
「あんたは熱いし手汗凄いけど」
「言わないで下さい」
会話はあまりないまま家に着いたが気まずさは全くなく無言の時間はなんだか心地良かった