「素直になりなよ」


俺の言葉に那由の顔が歪む


「那由?」


「俺はあいつを失いたくない…………」


「宇李ちゃんは今までの子と違うよ」


「わかってる」

「それなら」


「だからこそ失いたくない」


那由の気持ちはよくわかる


今まで那由に近づいた子は那由の見た目目当てだった


自意識過剰ではないが俺と那由は顔がいい


俺は幼なじみの彼女がいたけど那由は誰もいなくて女子なんて誰も信じていなかった



そんな中那由が向き合いだした女子が


宇李ちゃんだった



無理やり付き合わせているけどいつかはお互いに好きで付き合って欲しい


那由は宇李ちゃんが離れてしまいそうで怖いんだ…………


「失いたくなければしっかり捕まえて離さなければいい」


「………………那義に関係ねぇから」


俺を取り残し屋上を出た那由の背中はなんだか迷いがなかった




「頑張れ」


見上げた空は真っ青で清々しいほど綺麗だった