HRが終わってすぐに八神のところにいった。



八神は俺を見て、少し微笑んだ。

『ふふっ、由月の居場所ね?教えないわよ。ケンカの邪魔をさせるわけにはいかないからね。いくら、彼氏さんだとしても…ね。』



八神は不適に笑って、教室を出ていった。



『そんなに心配か?姫城のこと。』


紫之が俺の肩に手を置き、見透かしたようにニヤリと笑った。




『当たり前だろ。俺の女だし。』




『当たり前…ね。そんなこと言ってるわりに付き合ってるようには見えないけどね。帰りも行きも、俺とだし、学校でも、大して話さないし。』

紫之はメガネを押し上げ、呆れた顔を見せた。





『いや…まだ慣れないっつーか。』



俺は自然と手を首に当てた。




『それ、お前の癖。嘘ついてるときのね。』


紫之はニヤリと笑った。




『まぁ、距離をうまく縮められなくて、焦ってる、ってとこかな。』




紫之には全部お見通しらしい。